
私たち共同印刷がパーソナライズド動画 /インタラクティブ動画の配信プラットフォームとして提供している「OneDouga」。
「でもなんで印刷会社が動画?なんでデジタルマーケティング?」と不思議に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?確かに言われてみればもっともな疑問かもしれません。
本稿では、なぜ印刷会社がパーソナライズド動画/インタラクティブ動画領域に参入しているのか。
そんな疑問にお答えしましょう。
目次
動画マーケティングと印刷会社の親和性
パーソナライズド動画 /インタラクティブ動画は、アメリカをはじめとする諸外国で2010年代に実用化されたマーテック(MarTech)*です。
もともと1to1マーケティングに積極的だった保険会社がマーケティングオートメーションツール(MAツール)*として注目し、保険・金融商品の営業やカスタマーサービスに相次いで活用されると一気にさまざまな業種に普及していきました。
こうした海外の動向をいち早くキャッチし、その市場形成に寄与したのが日本では印刷会社でした。
その背景にある印刷会社ならではの優位性を考察していきましょう。
*マーテック(MarTech)
マーケティング(Marketing)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語。
マーケティング活動を効率化・高度化するためにIT技術を活用すること。
**マーケティングオートメーションツール(MAツール)*
マーケティング業務を自動化・効率化するためのプラットフォームやソフトウェア。

[表1]代表的なパーソナライズド動画配信プラットフォーム
[1]印刷会社は情報をセキュアに取り扱う
さまざまな広告ツールの印刷を請け負う印刷会社には、得意先がこれから世の中に公表する情報はもちろん、ダイレクトメールの送付先をはじめとする顧客情報などが集まってきます。
そのため日本を代表するような企業を顧客に持つ印刷大手では、社歴を通じて構築された厳格な情報管理ガバナンスが機能しており、取引先が自社の情報を安心して預けられるよう常にアップデートが図られています。
このように情報をセキュアに扱ってくれる印刷会社に対して「印刷周辺のサービスも依頼したい」というニーズが生まれるのは必至。
そんな「情報のプロ」としての印刷会社は、基盤事業である印刷の周辺領域に事業を多角化しているのです。
[2]IT企業としての側面
印刷は、多岐にわたる工程においてデジタル化にいち早く取り組んできた業界です。
1980年代には電算写植、1990年代にはDTP(デスクトップ・パブリッシング)、そしてインターネットの商用利用の可能性に着目し、黎明期から実証的なWeb制作に取り組んだのも印刷会社でした。
特に印刷大手は社内や傘下に専門セクションを組織し、Web系の知識を持つIT人材を積極的に採用。
Webデザインやコーディングだけでなく、システム開発、プログラミング、サーバーやネットワークの構築・管理、データ分析、情報セキュリティなど対応領域を拡充するとともに実績を重ねながら現在に至っています。
このようにIT企業としての横顔を持つ印刷会社がプラットフォームビジネスに参入するのはごく自然な流れだったと言えるのではないでしょうか。
[3]印刷会社は制作会社でもある
印刷会社にとって「制作」とは、印刷入稿データを完成させるまでの工程を指しています。
規模はそれぞれですが印刷会社の多くは制作部門を持っていて、下記のような制作業務にあたっています。
- 企画
- 制作
- 編集・構成
- コピーライティング
- 撮影
- グラフィック制作(イラスト、図表、CGなど)
- 制作管理
- 得意先対応
- 制作ディレクション
- スケジュール管理
- コスト管理
- スタッフ管理
こうした制作部門を持つことで、印刷会社は以下のようなメリットを得ています。
- 制作ノウハウを持たない顧客からの印刷受注獲得
- 事業領域を広げることで自社の企業価値を高める
また近年は企業のマーケティング活動において「紙媒体とWebメディアを連携させたい」というシーンが増えているため、デジタルシフトを加速させ、デジタル領域でも多様な制作サービスを展開しているのが印刷業界の現状です。
[4]印刷物とデジタルコンテンツの連動がスムーズ
印刷物とWebメディア。
情報を「記録する」「届ける」「広める」という根本的な役割が共通していることから、両者は対立構造で語られることがよくあります。
しかし近年のマーケティング活動では、それぞれが得意とするタッチポイント(顧客接点)の違いを理解した上で両者を連携させ、効果的に情報伝達することが求められています。
印刷会社に所属している制作ディレクターは、印刷物とWebコンテンツを横断的にディレクションできる知見を持っています。
例えば印刷物ベースでWebコンテンツを制作したり、またその逆の場合でも「どのように編集したらより高い相乗効果を得られるか」を豊富な経験に基づいて的確に判断できます。
これは印刷会社ならではの強みと言えるでしょう。
共同印刷の優位性
日本では印刷会社がパーソナライズド動画 /インタラクティブ動画のプラットフォーマーとしての存在感を持っているのは上述した通りです。
「OneDouga」は2015年にリリースされ、2018年に「OneDougaクラウド」にバージョンアップし、以降はクラウドサービスとして進化を重ねてきました。
2020年代に入るとDNPとTOPPANがそれぞれ後発サービスをスタートさせ、在京の印刷大手3社が揃い踏みの様相を呈しています。
そんな中で、「自社開発・運営」「製販一体」にこだわって牽引役を担っているのが共同印刷です。
[1]業界4位の印刷大手
売上高で業界4位に位置する共同印刷は、印刷の2トップと呼ばれるDNPとTOPPANとともに創業100年を超える老舗企業です。
大手から中堅まで多岐にわたる顧客と取引関係を築いており、傘下には国内11社・海外3社のグループ企業を置くほか、多数の協力会社をネットワークしている印刷大手のひとつ。
印刷業界のなかでもデジタル領域の事業開拓を積極的に進めている企業でもあります。
印刷業界の動向およびM&Aについて(三井住友トラストグループ『経営承継支援』)
[2]金融・保険に精通
共同印刷は、出版印刷・商業印刷のどちらにおいても日本を代表する大手法人を多数顧客に持っています。
なかでも金融・保険業界との取り引きの歴史は古く、保険会社、銀行、政府系金融機関などから発注を受けてさまざまな印刷物を取り扱っています。
- お客様向けの金融商品の案内冊子
- ポスター、リーフレット、チラシ
- ダイレクトメール
- 帳票・伝票
- 会社案内
- IRツール(統合報告書、株主通信など)
またノベルティ、クレジットカード、デジタルサイネージなど印刷物以外の製品・サービスも提供したり、BPOパートナーとしての実績も豊富です。
培われた要件把握力・対応力には定評があり、保険・金融特有の商習慣にも精通しています。
[3]厳格な個人情報管理
金融・保険業界の企業は、信頼関係を担保する高いレベルの企業ガバナンスをビジネスパートナーに対しても求めます。
このため共同印刷には、長い社歴を通じてアップデートを重ねた厳格な企業ガバナンスが確立されており、個人情報や機密情報に関して社員一人ひとりが高いコンプライアンス意識を持つよう教育も徹底されています。
今日こうした企業体質はあらゆる業界業種から必要とされており、民間企業だけでなく官公庁・自治体、学校・教育機関、公益団体などからも「自社の情報を安心して預けられる」という声が届いています。
[4]大型案件を任せられる
また共同印刷には、大型案件を任せる上で決め手となる次のような資質が備わっています。
- 総合印刷会社としての幅広い技術力
- BtoCビジネスにおけるマーケティング支援の実績が豊富
- 制作から印刷までワンストップで提供できるリソース
(OneDougaの場合は「制作から配信まで」) - 大手企業や保険・金融業界との取り引きで鍛え上げられた堅実な企業体質
OneDougaの優位性は「製販一体」
「ではOneDougaならでは優位性とは?」と聞かれると、ここまで見てきてすでにお気づきかもしれませんがその答えは「製販一体」です。
パーソナライズド動画 /インタラクティブ動画は[表1]からも分かるように、、開発元と再販契約を交わした事業者が自国向けにローカライズしたリセラープログラムを提供しているのが一般的です。
顧客の要望に添うように仕様を一部改変したいという場合でも、「契約の範囲内」という制約を受けたり、デフォルト仕様での運用に限定されていれば断念せざるを得ません。
しかし印刷会社は、基盤事業である印刷領域で顧客のマーケティング活動を直接・間接に支援する立場にあります。
顧客には基本的に「競合との差別化を図りたい」というニーズがありますから、「こうしてほしい」「ああしてほしい」というそれぞれのニーズに向き合って柔軟に対応し、その積み重ねで印刷会社は顧客との信頼関係を築いてきました。
ですから既存顧客は当然、印刷物でできる対応に近いレベルのことをパーソナライズド動画 /インタラクティブ動画にも求めてくるはずです。
そこで共同印刷は、開発から販売まですべての権利を自社で持つ「製販一体」のスタンスを打ち出し、独自ブランドとしてOneDougaの開発を進めました。
その結果、カスタマイズの自由度に優れた、顧客のマーケティング活動に資するプラットフォームとして世に送り出すことができたのです。
まとめ
印刷大手がパーソナライズド動画 /インタラクティブ動画に参入している状況には以下のような背景があります。
- 顧客企業のマーケティング戦略に直接間接で携わるポジションにある。
- 印刷事業で培われた技術や企業体質を生かしやすい商材だった。
- 顧客情報や機密情報をセキュアに取り扱える
- 制作のノウハウ&リソースを持っている
- 柔軟な顧客対応力
- 顧客との信頼関係
ひと昔前まで「紙とインクと輪転機」というイメージがあった印刷業界かもしれませんが、幅広い事業領域をカバーしている印刷大手は、インターネット以前からデジタル領域を積極的に開拓してきた先駆者の一面を持っています。
今や動画マーケティングも「1to1」の時代。
持ち前の顧客対応力を発揮できるように共同印刷が「製販一体」にこだわって自社開発したパーソナライズド動画 /インタラクティブ動画配信プラットフォーム「OneDouga」で、その成果をあなたの会社でも手にしてください。
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https://www.onedouga.jp/