目次
インタラクティブ動画とは?
インタラクティブ動画とは、動画内に「タップ/クリックできる仕掛け」を組み込むことにより、次のシーンを視聴者自ら選択できる動画コンテンツです。
一般的な動画は、配信側の意図によって創作されたストーリーが再生され、視聴者は受動的に映像を「ただ観るだけ」です。
これに対してインタラクティブ動画は、映像の中に表示されたテキストや画像をタップ/クリックし、自分の見たいコンテンツを選択して先に進んでいきます。
視聴者自身がストーリー展開に能動的に関与する「インタラクティブ(双方向)」な動画です。
DX時代の動画視聴者ニーズを捉えてよりリッチな表現が可能になると期待されています。
インタラクティブ動画の仕組み
インタラクティブ動画は、ベース動画とクリッカブルレイヤーから構成されています。
クリッカブルレイヤー上に配置したテキストや画像は、ベース動画と組み合わさったとき、視聴者がタップ/クリックできるテキストや画像として映像内で表現されます。
クリッカブルにすることができる要素
・テキスト
・画像(アイコン、リンクボタン、バナー、イラストなど)
など
タップ/クリックしたときの反応
・ストーリーが分岐
・タップコール(電話の発信)
・モーダル表示
など
インタラクティブ動画が注目される背景
インターネット上に配信した動画コンテンツで商品やサービスを知ってもらう「動画マーケティング」。
今、なぜ「動画」なのか?
数ある手法の中でも、視聴者側に能動的な操作(タップ/クリック)を求めるインタラクティブ動画が注目されるのはどうしてなのでしょう?
5Gによる通信の高速・大容量化
DXの加速に不可欠される高速・大容量の通信規格「5G」。
総務省は、全国の5G人口カバー率が2022年3月末に93.2%に達したと公表。
またMM総研によると、2022年の5G対応スマートフォンの出荷比率は96.2%。
基地局整備と5G対応端末への移行が同時並行で順調に進んでいることが窺えます。
動画コンテンツ普及の追い風になっているのがこの5G。
「4Gの100倍」の通信速度が実現する5G環境では、「読み込みが遅い」「途切れ途切れ」「止まる」といったこれまでの動画のウィークポイントが解消され、よりクリアな映像をストレスなく楽しむことができます。
エンターテイメントとしてはもちろん、ビジネスシーンでも動画の需要がまだまだ伸びるのは確実と言えるでしょう。
5Gの整備状況(2021年度末)(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000841720.pdf
2022年国内携帯電話端末の出荷台数調査(株式会社MM総研)
https://bit.ly/3JgDD6e
動画コンテンツの浸透
KDDIのデジタル情報マガジン「TIME&SPACE」が2021年に実施した若者対象(18~22歳)の調査によると、「スマートフォンで動画コンテンツを見る」と答えた人は約8割。
その約半数が動画視聴時間を「1日1〜3時間」と回答。
またインプレスによると、コロナ禍で「おうち時間」が増えたたことで有料動画配信サービスの利用が増え、これに対抗するテレビ局各社が「同時配信」「見逃し配信」といったネット視聴層向けサービスを強化。
インターネットで閲覧できる動画コンテンツの質・量が飛躍的に充実したことに加え、パケット定額制通信サービスが普及したことで、スマートフォンで当たり前に動画が閲覧できるようになりました。
動画共有サービス
- YouTube
- TikTok
- Vimeo
- ニコニコ動画 など
動画を投稿できるSNS
- LINE
- Facebook など
有料動画配信サービス
- AmazonPrime
- Netflix
- Hulu
- DAZN
- U-NEXT
- ディズニープラス など
レシピ動画サービス
- クラシル
- DELISH KITCHEN
- cookpadTV
- macaroni など
テレビ番組配信サービス
- TVer
- Paravi
- TELASA
- ABEMA
- FOD
- NHKプラス など
若者世代のスマートフォン利用に関するアンケート(KDDI株式会社)
https://time-space.kddi.com/au-kddi/20210415/3098
動画配信ビジネス調査報告書2022(インプレス総合研究所)
https://research.impress.co.jp/topics/list/video/651
タイムパフォーマンス(タイパ)重視
時間対効果を意味する「タイムパフォーマンス」。
略して「タイパ」は、時間≒お金という価値観に基づく造語で、Z世代を中心に社会に広がりつつあるトレンドワードです。
若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」によると、Z世代の85%が「(動画視聴で)タイムパフォーマンスを重視する」と回答。
約8割が「ながら視聴」を「する」と回答し、「倍速視聴」「スキップ再生」などの時短視聴も4〜5割が肯定的に捉えています。
理由として「自分が価値を感じるコトに、時間を割きたい」と約5割が回答。
可処分時間が、幸福度を左右するクリティカルな要素になっていることがわかります。
インタラクティブ動画は、タイパ重視層のこうした視聴態度と親和性の高い手法として注目されています。
Z世代の映像コンテンツの楽しみ方に関する意識調査(株式会社SHIBUYA109エンタテイメント)
https://shibuya109lab.jp/article/220818.html
大衆向けプッシュ型情報の限界
メール配信システムBenchmark Emailは自社ブログの中で、メールマガジンの購読停止の要因を17項目挙げています。
これを読むと、
- 読者の需要と一致しない
- 内容がつまらない
- デザイン性に乏しい
- 長すぎる
など、企業が恣意的に配信するメールマガジンに辟易している読者の姿が垣間見えてきます。
検索エンジンやSNS検索で必要な情報をいつでもどこでも入手できる今の時代、企業側のメリットに偏ったプッシュ型情報は「押しつけ(押し売り)」と受け取られがちです。
ではどんな情報だったら今の消費者に「刺さる」のか。
正解は、自分の意志で自発的に取りに行くプロセスを必要とする「プル型情報」。
視聴者自身がストーリー展開を選択するインタラクティブ動画は、動画マーケティングにおけるまさに「プル型」の手法です。
メルマガを購読停止する理由とその対策(Benchmark Email)
https://www.benchmarkemail.com/jp/blog/why-customers-are-unsubscribing/
情報伝達のDX化
経済産業省は2018年に公表した「DXレポート」の中で、2025年までにDX*を実現できない場合に生じる経済損失を「2025年の崖」と表現し、レガシーシステムとの訣別を企業に促しました。
DX推進によって産業界のITインフラが抜本的に刷新されれば、顧客エンゲージメントの形成方法も変容していくでしょう。
電子情報技術産業協会の調査によると、DXの目的として日本では24%、米国では34.6%の企業が「顧客エンゲージメントの改善や改革」と回答。
企業がDXに本腰を入れ、さまざまなシーンでその恩恵が生活者に還元されるようになると、消費者もデジタルマーケティングに基づくエンゲージメントを当たり前に感じるようになります。
ごく近い将来、3G・4Gの時代の動画マーケティングでは成果が上がりづらくなることは必至でしょう。
*DX:2004年にエリック・ストルターマンが「デジタル技術によって、人々の暮らしのあらゆる面にもたらされる変化」と定義したデジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)の日本での略称。
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf
日米企業の DX に関する調査(一般社団法人電子情報技術産業協会)
https://www.jeita.or.jp/japanese/topics/2021/0112.pdf
インタラクティブ動画の効果
インタラクティブ動画は、営業・マーケティングツールとしてはもちろん、採用、ブランディング、eラーニングなどさまざまシーンで活用されています。
どのような効果が期待できるのか、課題解決の観点から見ていきましょう。
カスタマーサービスの運用コスト削減
インタラクティブ動画は知りたい情報だけを視聴できる特長があり、問い合わせやクレーム対応を担当する「お客さま相談口」「お問い合わせ窓口」の負荷軽減が期待できます。
結果として、カスタマーサビスを担当する人員や稼働時間を抑えることにもつながります。
営業・マーケティング支援
従来の動画コンテンツは、配信する企業側の視点で設定した訴求ポイントをストーリーの軸にするのが一般的でした。
これに対してインタラクティブ動画は、自分の興味関心に従って視聴者自身がリンクをタップ/クリックすることでストーリーが展開していきます。
固定された1パターンのストーリーではなく、視聴者それぞれの顧客視点に立ったストーリーによって、製品・サービスに対する自身のニーズを可視化できるのがインタラクティブ動画の強みです。
コミュニケーションの強化・効率化
従来の動画コンテンツが、自分に有益な情報が得られるかどうか分からないまま「ただ見る」のに対して、コンテンツを成立させる一要素として視聴者自らストーリーに関与するインタラクティブ動画には「没入感を得やすい」という特徴があります。
配信元へのロイヤルティを引き出そうとする意図を感じさせることなく、企業やブランドへの親しみをを醸成しやすい利点もあります。
疑似コミュニケーション
インタラクティブ動画の「タップ/クリックできる仕掛け」は、例えば結婚式場や宿泊施設の見学ツアーのような「疑似体験」の提供に適しています。
疑似体験型のストーリーは、ブランドの世界観やサービスのフローを体験させるような場合に特に有効で、無形商材の営業・マーケティングではかなりポピュラーな手法です。
また有形商材の場合でも、スペックや見た目からは想像しづらい「使い方」「使用感」の提案に有効です。
ファンの獲得
インタラクティブ動画の「タップ/クリックできる仕掛け」は、自分から情報を取りに行くシチュエーションを視聴者に提供します。
同じメッセージを受け取るのでも、タップ/クリックして自ら入手した場合と、自分の意志とは無関係に入手した場合とではメッセージの重みがまったく違います。
自発的に手に入れた情報は顧客心理により深く刺さり、ロイヤルティ向上のトリガーとして作用するため視聴者のファン化を促す効果が期待できます。
Eラーニング促進
クイズ形式・テスト形式のストーリーを得意とするインタラクティブ動画は、オンライン授業・研修に用いるeラーニング教材としても最適です。
ダッシュボード(管理者用画面)は、表やグラフで視聴状況を確認でき、理解度・習熟度の評価やレポート作成といった業務をサポートしてくれます。
ただし動画学習では「スキップさせない」「サボれない」といったカスタマイズを必要とするケースもあるので、動画配信サービスを選ぶ際は機能面のチェックをお忘れなく。
インタラクティブ動画の活用シーン
では実際に、「タップ/クリックできる仕掛け」によるストーリ分岐とはどのようなものか。実例を目的別にご紹介します。
商品理解促進
事例 OneDouga
動画配信サービス「OneDouga」が提供しているインタラクティブ動画とパーソナライズド動画を、実際に同サービス使った動画で紹介。
視聴前に名前とメールアドレスを入力して動画再生ボタンをクリックすると、名前が即時に反映されたインタラクティブ動画がスタートし、視聴後は御礼メールが自動配信されます。
採用活動
コロナ禍に期せずしていち早くDX化が進んだのが学生募集や採用活動です。
オープンキャンパスやインターンシップの開催が困難になったこの時期、受験生・就活生の情報収集はインターネットにほぼ限定され、学校・企業側もウィズコロナに対応したコンテンツ戦略へのスピーディな転換を迫られました。
インタラクティブ動画はタイパ志向の強いZ世代との相性が良いことから、Webオープンキャンパスや採用サイトに数多く導入されています。
ストーリー分岐を工夫した企画性の高いクリエーティブで競合との差別化を図る傾向も見られます。
事例 放送大学
入学を検討する学生・社会人向けにインタラクティブ動画「あなたが知りたい放送大学」を公式Webサイト内に動画視聴ページを開設しました。
事例 山梨学院大学
大学構内を疑似体験できるインタラクティブ動画「在学生がガイド!山梨学院大学 キャンパスツアー」を高校生・受験生向けサイト「YUGへのとびら」に掲載。
※当社以外の事例です。
参考: 山梨学院大学HP https://www.ygu.ac.jp/admission/video/
事例 長浜バイオ大学
ベース動画から分岐する4つのストーリーで3学科・1コースがそれぞれ詳しく紹介される受験生向けの動画。
ベース動画では在学生がガイド役を務め、インタラクティブ動画を初めて体験する人でも戸惑わないように配慮されています。
※当社以外の事例です。
参考:長浜バイオ大学HP https://www.nagahama-i-bio.ac.jp/admissions/interactive_video/
事例 第一カッター興業
採用サイトに掲載したインタラクティブ動画の中で、「第0次採用試験」と題したクイズ形式のコミカルなストーリーをスタイリッシュな映像に載せて展開。
若年層を惹きつけるキャッチーなクリエーティブで製品や社風を訴求しています。
※当社以外の事例です。
参考:第一カッター興業HP https://www.daiichi-cutter.co.jp/recruit/
疑似体験
事例 外務省
外務省公式YouTubeチャンネルで配信しているアニメシリーズ「鷹の爪団の 行け!ODAマン」のスピンオフ企画として、インタラクティブ動画を用いて配信したODAシミュレーションゲーム「ODAマンのあなたもODA」」。
同シリーズは、アニメ「秘密結社 鷹の爪団」の主要キャラクター吉田くんを「ODAマン」に起用し、日本のODA案件をユーモラスに紹介している動画コンテンツ。
※当社以外の事例です。
参考:外務省HP https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/press/event/page22_001008.html
事例 あさやホテル
明治21年創業の鬼怒川温泉の老舗旅館「あさやホテル」は、ホテルステイを疑似体験できるインタラクティブ動画「あさやホテルを堪能しよう!」をWebサイトに掲載。
「客室」「料理」「温泉」を主軸にストーリーが分岐。
気になるシーンで適宜クリックすると見どころが追体験できるように設計されています。
※当社以外の事例です。
参考:あさやホテルHP https://aap1.mil.movie/Srys0H/
事例 リビエラ
コロナ禍の直撃を受けたブライダル業界では、営業活動が制限される中でオンライン相談会を実施していましたが、試食や試着をパッケージしたブライダルフェアに比べると「空気感や温度感がわかりにくい」「何時間やってもクロージングが難しい」といった課題が浮上。
カスタマージャーニーからの離脱を食い止める営業支援ツールとして、結婚式場に特化した汎用テンプレートを実装したインタラクティブ動画が開発されました。
※当社以外の事例です。
デモ版
参考:リビエラHP https://bridal.mil.movie/eLbbTX/
事例 新潟県湯沢町
四季の豊かさを軸に、湯沢町で楽しめるアクティビティや観光名所を案内するインタラクティブ動画「Four season YUZAWA Viewing」。
映像内のボタンをクリックするとモーダルウィンドウに切り替わり、ロケ地の紹介テキストや施設サイトへのリンクが表示されます。「越後湯沢観光ナビ」サイトで視聴できます。
※当社以外の事例です。
参考:湯沢町HP https://tkyuzawapr.mil.movie/eKztVd/
EC
事例 IKEA
IKEAの家具・インテリアを宣伝するショートムービー仕立てのインタラクティブ動画。
映像内に登場する商品上のショッピングバッグアイコンをクリックするとモーダルウィンドウに切り替わり、商品の紹介テキスト、公式SNSや商品購入ページへのリンクが表示されます。
※当社以外の事例です。
参考:Wiremax HP https://www.wirewax.com/showcase/gallery/#8153337
事例 ナノ・ユニバース
ナノ・ユニバースが2017年に打ち出したスタイル提案「feel in bones」のコンセプトムービー。
モデル着用アイテムにカーソルを合わせると商品の詳細情報が表示され、ECサイトへのリンクから商品購入ページに遷移。
インタラクティブ動画の機能によってスムーズな販売導線を設計した事例です。
※当社以外の事例です。
参考:NANO universe 公式YouTube https://www.youtube.com/watch?v=wzl_lP4SXmk
ロイヤリティ醸成
事例 Gujarat Lions
インドのクリケットチーム「Gujarat Lions」が配信したファン向け動画。
パーソナライズド動画の機能を併用した前半では、チームオーナーがファンにメッセージを届けるシーンでファンの個人名が映像内に表示されます。後半の選手紹介では、映像内に埋め込まれた画像リンクをクリックすると、各選手のハイライトシーンやWikipediaページを読み込んだモーダルウィンドウが表示されます。
また、
※当社以外の事例です。
参考:Medianews4u.com https://www.medianews4u.com/gujarat-lions-partners-xebec-digital-releases-tribute-fan-video/
アップセル
事例 Travel Space
旅行代理店がアップセル促進施策として配信した既存顧客向けインタラクティブ動画。
パーソナライズド動画の機能を併用し、顧客それぞれの興味関心や保有ポイントに基づき次回パッケージツアーを提案しています。
※当社以外の事例です。
インタラクティブ動画のメリット
営業支援・マーケティング・ブランディング実務の担当者にとってどのようなメリットがあるかも見ていきましょう。
インパクトがある
視聴者自身が操作(タップ/クリック)するプロセスを踏んで見たいシーンに選んでいくため、インタラクティブ動画で得た情報には「記憶に残りやすい」というメリットがあります。
またゲーム的要素のある視聴体験はそれだけでも「誰かに教えたい」と思わせるのに十分なインパクトがあり、SNSでのシェアによるバイラル効果も期待できます。
視聴時間が伸びやすい
インタラクティブ動画の視聴中に行うタップ/クリックは、視聴者自身の「知りたい」という欲求に基づく自発的アクションです。
通常の動画の場合、視聴者にとって退屈なシーンで離脱されてしまいますが、興味関心に従ってタップ/クリックすればよいインタラクティブ動画では、ストレスを感じることなく視聴を維持しやすいというメリットがあります。
コンバージョン率が上がる
インタラクティブ動画は、タップ/クリック時の操作感や没入感といった体感的な刺激を伴う視聴体験を実現します。
そこで見た映像や入手した情報は顧客心理の深層にリーチし、商品・サービス・ブランド・企業への共感が醸成されるためエンゲージメントやコンバージョンの向上に寄与します。
[エンゲージメント]
・いいね数
・コメント数
・保存数
・インプレッション数
など
[コンバージョン]
・商品購入
・会員登録
・資料請求
など
双方向でやり取りができる
情報を入手するかしないかの判断を視聴者に委ねるインタラクティブ動画には、自分とは無関係な情報に起因する離脱が起きにくいというメリットがあります。
ある情報が視聴者にとってどのぐらい必要かは、「知っているけどもっと知りたい」「知っているからスルー」「知らなかったから知りたい」「知らないけどどうでもいい」など、単に「必要」「不必要」で割り切れないさまざまな度合いがあります。
インタラクティブ動画の持つ双方向性はそうした曖昧さを許容し、視聴者が自覚していなかった興味関心を掘り起こす効果もあります。
インタラクションを可視化できる
ダッシュボード(管理者用画面)では、以下のような視聴状況を表やグラフで確認できます。
離脱要因や動画の改善箇所の洗い出しに活用してPDCAを回したり、未視聴者をリスト化してリマインドメールを送信するなど、施策の成果向上に役立てることができます。
[取得可能なデータ*]
・行動履歴(動画内のどのボタンを押したか)
・視聴時間
・視聴維持率
・視聴日時
・視聴回数
・デバイス/OS
・コンバージョン
*項目は動画配信サービスよって異なります。
インタラクティブ動画の運用にあたって
目的・ターゲットに合わせた手法の選択
インタラクティブ動画は、視聴層を惹きつけるエンターテイメント性と配信側の意図が整合してはじめて戦略性を発揮するコンテンツです。
動画配信の目的(どのような行動変容を促すための、誰に対する動画なのか)をプロジェクト関係者で共有し、企画・制作・運用のどのプロセスにおいても本来の目的からブレてしまうことのないようにマネジメントしましょう。
シナリオ、分岐パターンの整理
動画コンテンツのクオリティはシナリオで決まります。
インタラクティブ動画も例外ではありません。
エンターテイメント性を左右するのは「ストーリー分岐」に尽きると言っても過言ではないでしょう。
ただし営業・マーケティングを主目的とする以上、ただ面白ければ良いというわけにはいきません。
企画性や作品性よりもまず優先すべきは、「配信側の知らせたいこと」が「視聴者側の知りたいこと」にきちんと整合するストーリー設計です。
フロー図に書き出したり、関係者同士でディスカッションするなどして基本要件を整理&周知しましょう。
撮影・編集
特に疑似体験型のインタラクティブ動画は、自分がそこで見ているかのような画角を再現することで高い没入感が得られます。
ディレクターやカメラマンに制作意図を伝え、一人称視点での撮影に必要な機材を準備してもらいましょう。
実写の場合はカメラのアングルやポジションが制約される場合もあるので、撮影スタッフによるロケハン(下見)をおすすめします。
またリンクボタンなどのグラフィック要素は、編集作業時に映像の中に埋め込んでいきます。
「ボタンが配置しづらかった」ということがないように配置位置は絵コンテの段階で確認しましょう。
個人情報の取扱い
インタラクティブ動画は、Webサイトに掲載して一般に公開することはもちろん、顧客データに基づくターゲティング配信をすれば視聴者を限定して配信することもできます。
また視聴者の個人名など、顧客データに紐づいたテキストを動画上に表示させるなど、パーソナライズド動画の機能を併用することも可能です。
ただしその場合は自社の顧客データを配信委託先に預けて管理してもらうことになります。
委託先がパーソナライズド動画についてのノウハウも十分に持っているか、特に個人情報の取り扱いに関する確かな知見・実績を持つ企業かどうかが、パートナー企業を選ぶ上で非常に重要になってきます。
具体的なチェックポイントについては以下をご参照ください。
仕組み・背景を知り、効果的に活用!パーソナライズド動画とは?
>個人情報の取扱い
https://www.onedouga.jp/topic/2023_03_27/#i-21
まとめ
自分に関係のない情報を見なくて済む=時間を浪費しないインタラクティブ動画は、タイパ志向の強い現代人に刺さる動画コンテンツとして営業、マーケティング、ブランディング、採用、eラーニングといったさまざまなシーンで導入されています。
従来の一般的な動画が「ただ見る」だけで時間を使うタイパの悪いコンテンツだったのに対して、インタラクティブ動画は「この先に進みたい」と思うシーンをタップ/クリックで選択し、見たいストーリーを自分で組み立てながら視聴します。
5Gが追い風となって、活用シーンはまだまだ増えると期待されています。当ブログでも最新動向を追っていきますので、ぜひチェックしてキャッチアップしてください。